所属:株式会社アービング
「その1枚で人生が変わるかもしれない。」
一瞬間を置いて、竹内渉はこう続けた。
「そんなに息巻いて臨んでいるというわけでもないけれど、私にとって写真は、それくらい大切なものなんです。」
この日の衣装はファインダーブルーに映える純白のタイトドレス。見事に着こなす彼女を、夏木元は“天女”と表現した。
一つひとつの所作から滲み出る上品さ、言葉と表情から溢れる知性、周囲を自然と笑顔にさせる温和な雰囲気。我々の瞳に映った竹内渉という人は、たしかに天女そのものだった。
__撮影の感想
「私はかなり動くタイプなのでそこを我慢して撮るのは難しかったです。作品の仕上がりについては大丈夫だったかなという不安がありますが、撮影自体は楽しかったです。私はスタッフの方とコミュニケーションをとりながら撮影してゆくのが好きなので、今日は初めましてのカメラマンさん……しかも2人もの方に撮っていただけてとっても楽しかったです。」
__現場によって変えるよう意識していること
「まずは作品へのイメージを膨らませた上で、どういうテーマで撮りたいか、この衣装ではこういう表情で撮りたいな、などと考え、気持ちの作り方を変えるようにしています。自分で音楽を持ち込むこともありますね。」
読者は、紙面上の竹内さんを見て彼女にどのような印象を持っただろうか。
人それぞれ意見は違うだろうが、もしかするとそのイメージは、本来の彼女よりも“ちょっと良い”ものかもしれない。
「雑誌やテレビで私を知ってからイベントなどで会いに来てくれたファンの方はみんな、イメージと違った、もっとクールな感じだと思っていたって言うんです。」
__竹内さんの作品へのイメージが上手く反映され、視聴者へ届いているということなのでは?
「そうなんでしょうか……本当はバカな話もするし、ファンの方も気楽にお迎えするんですけどね(笑)竹内渉は本来の私より、“ちょっといい女”なのかもしれません。」
__1人の女性として大切にしていること
「“品”は重要だと思っています。でも、グラビアを仕事にしている以上、逆に捉えられること、バラエティで無理をして大げさに話したことでも下品だと思われることがあると思うので、そうでない部分でどれだけ品を大切にできるか……これは女性からも応援していただくには必要なことだと思っていて……実は悩んでいるところです。」
__女性からの支持について
「昨年はお尻を露出した写真集を出し、グラビアの巻頭も何度かやらせていただいて、お尻キャラと認識していただけるようになりました。そのおかげで美容雑誌からオファーがあり、それに伴って女性のファンの方も増えたんです。グラビアをやっている身としては、女性からの支持は自分の可能性を拡げてくれる、希望のようなものに感じますね。」
__今後の展望
「この質問にはジャンルで返答した方が良いのかもしれませんが……例えば先輩の橋本マナミさんは朝ドラに出演されたのですが、それってグラビア界ではすごいことなんです。私たち後輩はそういう先輩のすがたに希望をもらっているので、私も後輩たちに希望を与えられるようになりたいなと思います。」
__芸能界を目指す人たちへのメッセージ
「私は十代の頃、芸能界で仕事をしたいということしか考えていなくて、月曜から日曜まですべてそのためのスケジュールを組んでいました。でも今は自分の生活もあるし、若い時のようにがむしゃらに仕事だけをするということはできません。その時にしかできないこと、頑張り方があると思うので、それに時間をたくさん使って頑張ってほしいなと思います。」
インタビューをしてゆくなかで明らかになったのは竹内さんの内にある“迷い”。しかしそれを決して闇や影と捉えることなく、自らの標の一つとして語る彼女の姿は眩く、強く感じられた。きっと、竹内渉に羽衣は必要ない。
(ライター・咲月)