所属:三枝プランニング
「写真とは、新しい自分を見せてくれる絵だと思っています。」
平塚千瑛は「見る人の理想に自ら寄せている、外から見た私のようなものです。」と続けた。
「インスタグラムでも写真集でも、それは1枚の絵じゃないですか。 私は絵の中でファンを掴もうと思っているので、求められたものにはなるべく応えようと思っています。私が表現したいと思っているものは?と問われたら“憧れのお姉さん”ですかね。私にとって女性って永遠のテーマで。女性が憧れる女性になりたいと思っています。」
__平塚さんの憧れの女性
「歳を重ねても美しく、輝いている女性が好きです。自分も30歳を超えてだんだん代謝が落ち、太りやすい身体になってきたのでわかることですが、歳を重ねてもスタイリッシュな方は相当な努力をされているのだと思うので、そういう方を目標にしたいなと思っています。」
茶目っ気たっぷりに笑うあどけない少女のような顔と、ファインダー越しに透けて見えた大人の女性の顔。
一連の企画を通して様々な表情の平塚さんを見てきた夏木元は、彼女を一言でこう表現した。
「0か100、白か黒。」
思い切りの良すぎる所と悪すぎる所があるが、仕事ではその間を求められることもあるため、グレーをいけるようになると良いのではないか。また、コンプレックスが多いからか、ネガティブな印象を受けた。もっと自分の長所を見つけられるようになると良いのではないかと分析する夏木元。
それが間違いでないことは、平塚さんの撮影の感想から明らかになった。
「ニュートラルを求められるという、一番苦手な撮影でした。夏木元さんもおっしゃったように、0か100の人間だとずっと言われてきたので、やっぱりそれは撮影でも現れるんだなと思いました。これまでは自分を商品として撮ってきた作品が多かったので、なるべく自己主張を抑えて、というのは撮影以前にそれを理解することさえも難しかったです。」
平塚さんは撮影の際、鼻に綿棒を入れて高くしたり、頬にスポンジを含んでほうれい線を消したりと、コンプレックスを隠すために色々と工夫を凝らしているそうだ。
我々FINDERJAPANは、被写体のあらゆる可能性を探るため、角度、ライティング、メイクなど、様々な方向からアプローチをかけ、より多くの表情を引き出すことを1つの目標としている。
彼女が今回できあがった絵の中の自分を見て、1つでもコンプレックスを可能性に思えたら……そんなことを願わずにはいられない。
__本来の自分が“平塚千瑛”に及ぼしている影響
「バラエティ番組で素をさらけ出したことがきっかけで、肩の力がいい感じに抜けました。ヨレヨレのTシャツを着た姿がテレビに映っても「そういう姿を見られて良かった」という方も中にはいて、それでファンが増えたっていうことがちょっと強みになったので、もうちょっと素の部分を出しても良いのかなと思えるようになってきました。
だから今はかなり本来の自分が平塚千瑛に寄ってきている状態だと思います。」
__芸能界を目指す人たちへのメッセージ
「私自身、デビューが27歳ということで「遅い」とすごく言われて……。24歳で上京した時からずっと遅い、遅いと言われ続けているこの8年なのですが、何を始めるにも“遅い”ということはないから、一回やれるだけやってみたら良いと思う。というのを伝えたいです。」
最後に、現時点での自分の長所は何だと思うか尋ねてみた。
「頑張ればムードメーカーになれるところ……明るさと、人懐っこさかなと思います。」
彼女は我々がファインダー越しに捉えることで1枚の絵に、平塚千瑛になる。
しかしながら彼女が認める彼女—明るくて人懐こい彼女にはまだ、共に言葉を交わさなければ出逢えない。
いつか再びカメラを向ける機会があるならば、ある“べき”姿ではなく、今日出逢った、彼女自身も誇る彼女の姿を絵の中に見つけたいと、強く思った。
(ライター・咲月)