所属:BBE
「逃げ道と言われたこともありましたが、それは違う。努力して得た武器なんです。」
そう語るのは西原愛夏――現役歯科衛生士として現場に出る一方、グラビアアイドルとしても活躍する23歳だ。武器とは歯科衛生士の資格のことである。
二足のわらじを履き二つの世界を渡り歩く西原さんは、 “副業グラドル”や“副業衛生士”などと紹介されることが多いそうだが、それはあまりに安直ではないかとここに苦言を呈したい。
__グラビアアイドルと歯科衛生士の二刀流という選択
「今の勤め先の理事長さんが背中を押してくださったことで二つとも始めました。好きなことを両方できるというのは幸せです。周りの方のおかげですね。どちらも大切なお仕事ですから、できる限り両方続けていきたいです。」
__二つの仕事に関して
「芸能活動は日々勉強、やれることをひたすらやっていこうというスタンスでやっています。1年単位で細かく目標を立てているのですが、全然叶えられていないので……。グラビアは限界の年齢までやって、もっとお芝居やバラエティなど活動の幅を広げてゆきたいです。歯科衛生士としては、まだ経験も浅く聞かれたことすべてに答えられるわけではないので、どこへ出ても何を聞かれても答えられるようになっていきたいなと思います。トークイベントなどにも出演してみたいですね。」
グラビアアイドルと歯科衛生士は全く異なる職種だが、歯科衛生士としての経験が芸能界を生きる上での礎となっているのだと西原さんは語る。
「芸能を始めた頃は本当に自分に自信がなくて、周囲からの心無い言葉に傷つく一方で“たしかに”って認めてしまっていました。でも芸能活動を休止して通った歯科衛生士の学校がとても厳しくて、メンタルが鍛えられました。あの頃の経験が今に活きていると思います。」
__写真について
「プライベートでも写真を撮ることはすごく好きです!自分を撮るとなるとどうしても仕事道具になってしまうので、趣味では風景や他の人などをモデルにして楽しく綺麗なものを撮りたいなと思っています。」
公私ともに写真と関わる機会の多い西原さんには、1つ悩みがあるという。
「笑顔が盛れないので真顔の写真が多いんです。どうしたら良いのでしょうか。」
夏木元はこう回答した。
「今回はFINDER JAPANの趣旨と合わないということで、私たちも笑顔は封印してとお願いしましたが、それは決して笑顔が弱点というわけではありません。西原さんは笑うととても幼く、可愛らしくなります。それも魅力の1つだと思います。」
FINDER JAPANは“世界観の表現”をテーマに商業的価値の高い写真を撮影し、芸能活動を行う人々に可能性をより広げてもらうためのフォトクリエイションを提供するプロジェクトである。撮影にあたり企画趣旨を伝えるのだが、洗練された写真表現のために設定している“ニュートラルゾーン”という独自のレンジには戸惑う人も多い。
__FINDER JAPANのコンセプトに関して
「これまで求められたことのないことばかりで最初はどうしたら良いかわからず、スタッフさんに聞きながら撮影しました。1枚の写真でその人の世界観を引き出せるってすごい、奥の深いことだなと思いました。」
冒頭、彼女を “二足のわらじを履き二つの世界を渡り歩く”人と表現したが、それこそ安直であった。
西原さんの持ついくつもの夢と世界――彼女がそれに生きることでそこには輝きが生まれる。そういったすべてをひっくるめて彼女を見つめるとき初めて、西原愛夏という女性が見えてくるのかもしれない。
最後に芸能界を目指す人たちへのメッセージを聞いた。
「とにかく、やろうって思ったらやり続けることだと思います。
私も散々色んなことを言われてきましたが、やると決めたのでやるんです。やっている姿は誰かが見てくれるし、続けていれば本当に絶対上手いこといきます。いかなくてもなんとかなります!(笑)絶対に途中で諦めないことが大事です。」
(ライター・咲月)